ゲーム機統一規格

忘れた頃に誰かに繰り返し出される論の一つです。一見理想的に見えるものの、ことゲーム機では統一する意味がありません。では一体どういう問題点があるのでしょうか。

  • 規格の決定は誰が?

仮に規格団体を結成したとしても、決定は単独のメーカーで行うよりも遅れるのは確実です。また次世代規格への更新も従来より遅延されかねません。また規格団体内での主導権争いも起きるでしょう。

  • 技術レベルの平均化による低下

どうしても設計は各メーカーで実現できる程度に落ち着いてしまいます。SCEみたいな世代間の飛躍的な進化は難しいでしょう。ソフトハウス側としても規格団体に所属して単独仕様という大きなメリットはあるもののそんなハードに縛られたがるかは疑問です。統一規格以外のハードは絶対に出ないという保障があるならともかく。

  • ハード独自性の消滅

規格で縛る以上は特にゲームに関係する部分では独自性を出せません。それを嫌って特に自前で開発できるハードメーカーは参入しないでしょう。さらにSCEは自前で高度な設計ができる訳ですし。ゲーム機の場合は他のメディア録再機と違ってメディア側ではなくハード側に実現の要点があります。独自性にもこだわるSCE任天堂の両者は参入を拒否するでしょう。独占の旨みを知りすぎているMSも同様でしょう。

  • 抜け駆け防止は不可能

例え規格団体で縛りを入れても、所属しないメーカーにさらなる高性能ハードを出されてしまってはお終い。既に指摘してある事もあり統一規格側は性能上も圧倒的に不利です。さらにその規格団体外ハードへの参入禁止で縛ったら不当競争防止法違反に問われかねません。

  • ユーザー側の費用対効果の程度

統一規格となれば複数ハードを買う必要はなくなりますが、元々ゲーム機自体はそんなに高い代物ではありませんし最初高いとしても、ソフトが揃い機が熟せば価格も落ちます。PS2とて最終的には初代機を買った人は国内でも全体の5%強です。現実はたとえばGCユーザーがソフトのレパートリー不満からPS2を買い足したりしている訳で、ゲーム機に操を立てるような信者にしかコスト上のメリットは事実上ありません。それもマイナーで先鋭化した始末の悪い信者くらいにしか。

結局は

さまざまな所を巻き込む割には、ユーザーが2台目を買わないという特にハードメーカーとしてはあまりうれしいとはいえないようなユーザーの利点くらいしか無い訳です。そのハードメーカーが動かない限り実現は無い訳ですから絵に描いた餅です。さらに現在の3社以外のハードメーカーが実現に動くとは思えませんし。3DOの実例を見ている訳ですから。